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トリプルネガティブとは~治療方法と再発予防・生存率について

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女性の罹患者(りかんしゃ)数が最も多いがんは、乳がんです。

有名人の罹患者数も多く、近年再び注目を集めている乳がんですが、実は乳がんにもいくつか種類があります。

数ある乳がんの中でも、注目を集めるのがトリプルネガティブ。

治療方法が限られ、再発率が高いという特徴がありますが、抗がん剤治療に高い効果を発揮するという特徴もあります。

今回は知っておきたいトリプルネガティブについて、その治療方法、生存率、そして再発予防方法まで解説します。

トリプルネガティブは乳がんの種類

国立がん研究センターによると、2012年に女性のがん罹患者数が最も多かったのが乳がんです。

近年は30歳代からの乳がん罹患者数は増加し、40歳代に突入すると罹患率が格段に上がります。

乳がんは若年層のがんとも言え、60歳代を超すと罹患者数は減少します。

若い時期から気を付けないといけない乳がんは、大きくわけて5つのタイプに分類できます。

乳がんを分類することをサブタイプ分類と呼ばれます。

通常、がんは進行度合いによってステージ付けされます。

ステージ1が症状が進行していない状態で、ステージ4が最も症状が進行している状態ですね。

乳がんの場合は、進行度合いのステージ付けではなく、がん細胞の種類によってサブタイプ分類もされないといけません。

サブタイプ分類を行う目的は、最適な薬物療法を選択するためです。

以下がサブタイプ分類とそれに合った化学療法です。

サブタイプ分類 適切な薬物療法
ルミナルA型 ホルモン療法(化学療法)
ルミナルB型(HER2陰性) ホルモン療法、化学療法
ルミナルB型(HER2陽性) ホルモン療法、分子標的療法、化学療法
HER2陽性 分子標的療法、化学療法
トリプルネガティブ 化学療法

薬物療法の目的は以下の通りです。

・手術や他の治療効果のサポート
・手術前に腫瘍(しゅよう)を小さくする
・延命や生活の質を高める

薬物療法の効果を十二分に発揮するために、乳がんのタイプに合ったものを選ばないといけません。

薬物療法では、がんの再発を防ぐことが大きな目的です。

例えば、ルミナルA型乳がんは再発のリスクが比較的低いです。

そのため、ルミナルA型乳がんは効果が強い反面、副作用も強い化学療法が行われないことがほとんどです。

では、トリプルネガティブ乳がんはどのような特性を持つのでしょうか?

トリプルネガティブと聞くと、かなりマイナスなイメージを持ってしまいますが、それほどネガティブなものではありません。

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トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、そしてHER2の3つのがん増殖に関する細胞を持っていないという特徴があります。

3つの細胞を持っていない(=陰性))ということなので、トリプルネガティブと呼ばれるのですね。

乳がん全体の約10~15%がトリプルネガティブと診断され、増殖能力が高いものが多いです。

つまり、治療後にも再発の可能性が高くあるということ。

また治療手段も限られ、再発後の生存期間も他のタイプの乳がんと比べると短いという特徴があります。

トリプルネガティブ乳がんは再発・転移の可能性が高く、命に影響を与える程度などが高いと言われています。

3年以内の再発の可能性は他よりも高いですが、3年後の再発の可能性は低くなります。

トリプルネガティブの治療方法

トリプルネガティブ乳がんの主な治療方法は、化学療法です。

がん細胞には無限に増殖し続けるという厄介な性質があります。

トリプルネガティブ乳がんに対して行われる主な化学療法は、抗がん剤治療。

抗がん剤治療を受けることによって、がん細胞の増殖を抑えることができます。

抗がん剤治療は、手術前と手術後に行われます。

ここからは、それぞれの抗がん剤治療と副作用について解説しましょう。

手術前の抗がん剤治療

手術前に行われる抗がん剤治療の目的は、腫瘍を小さくすることです。

手術前に必ずしも抗がん剤治療が行われるとは限りません。

例えば、腫瘍が手術で切除しにくい位置にあったり、乳房切除術(ちぶさせつじょじゅつ)ができないほどしこりが大きいときなどに行われます。

治療期間は約3か月~半年です。

手術前抗がん剤治療のおかげで、外科手術を受けられる人が以前よりも増えています。

もし抗がん剤治療の効き目が薄いようならば、追加で放射線治療やホルモン療法が行われるかもしれません。

手術後の抗がん剤治療

手術後に行われる抗がん剤治療の目的は、がん転移・再発の可能性を低くすること。

リンパ節や他の臓器に転移していない早期の乳がんの場合は、外科手術で完治できる可能性が高いです。

しかし、腫瘍を切除しただけで完治というわけではありません。

もしかすると、あまりにも小さすぎで発見できなかった転移があるかもしれません。

小さな転移細胞も放っておくと、どんどん成長してしまいます。

それを防ぐためにも、仕上げの意味で抗がん剤治療が行われます。

研究で、手術後に化学療法を受けることで死亡率が低下することが明らかになっています。

また複数の抗がん剤を組み合わせた方が効果的だと実証されています。

しかし、トリプルネガティブ乳がんの問題点は抗がん剤治療が効果を示さなかったとき。

これが他の乳がんタイプと大きく異なる点です。

トリプルネガティブ乳がんでは、薬物療法以外に大きな効果を示す治療法が見つかりません。

治療技術が発展した今、トリプルネガティブ乳がんに有効性を示す治療薬がいくつか開発されています。

しかし、ほとんどが保険適用外の新薬などで費用が全額自己負担となります。

トリプルネガティブ乳がんは抗がん剤薬に高い効果を示すので、それほど悲観的にとらえる必要はありません。

抗がん剤治療の副作用

広く知れ渡っているとおり、薬物療法には副作用がつきものです。

使用される薬の種類によって副作用は異なりますが、主に薬の影響を受けるのは新陳代謝の動きが活発な細胞です。

髪の毛、骨髄、口や消化管の粘膜などが該当します。

以下が主な抗がん剤治療の副作用です。

吐き気

アンスラサイクリン系やシクロホスファミマドといった抗がん剤を使用したときに起きやすいのが、吐き気です。

薬の投与から24時間以内に突然起こる吐き気、24時間から1週間の間に起こる吐き気、さらには予期性の吐き気までがあります。

アンスラサイクリン系はトリプルネガティブ乳がんにも使用される薬です。

脱毛

アンスラサイクリン系やタキサン系の薬を投与することで、よく起きる副作用が脱毛です。

脱毛スピードは個人差もありますが、一般的に治療後2~3週目に急激に髪の毛が抜け始めます。

脱毛は頭髪だけだと思われますが、眉毛やまつげまでもが抜けることがあります。

薬によって脱毛副作用が変わりますので、強い薬を投与する前にはウィッグなどを用意しておくといいでしょう。

卵巣機能障害

卵巣機能障害とは、月経が一時的にもしくは完全に止まることです。

また、それに伴い更年期障害の1つホットフラッシュが発症することもあります。

※ホットフラッシュ
ホットフラッシュとは、のぼせやほとりのことです。大量の汗が止まらなくなったり、急に顔が熱くなったりします。

白血球、血小板、赤血球の減少

白血病などが減少するスピードは個人差にもよりますが、一般的には抗がん剤投与7日から10日で減少し初め、10日から14日目で最も減少し、3週間目くらいから数が増加し始めます。

もし白血球が減少しているときに発熱が起きた場合は、菌を倒す抗菌薬(こうきんやく)を投与したり、白血球の一部である好中菌(こうちゅうきん)を投与したりします。

また貧血などが起きた場合には、輸血して対処することがあります。

その他

抗がん剤治療を行うと、甘みやうまみなどの味覚が低下したりする味覚障害や爪の色素変化や割れ、全身のだるさ、手足のしびれ、肝臓の機能障害といった副作用が起きます。

トリプルネガティブの生存率

トリプルネガティブの最大の特徴は、ほかの乳がんとは違い3年以内の再発率が高いことです。

そのため、生存率が大幅に変わるというわけではありません。

ステージによって生存率は大きく異なりますが、乳がん全体の生存率は比較的高いです。

以下が国立がん研究センターによるステージ別の乳がん5年生存率です。

ステージ 5年生存率
ステージ1 96.8%
ステージ2 92.4%
ステージ3 77.0%
ステージ4 31.6%

5年生存率とは、がん治療開始してから5年後に生存している人の割合のことです。

症状が最も進行したステージ4の場合は、5年生存率が30%台になってしまいますが、ステージ2までだと90%以上の生存率になります。

乳がんは早期発見することで、生存率を大きく上げることができます。

5年生存率を理解するうえで注意したいのは、生存している人の中にはがんが再発や転移している人もいるということです。

つまり、5年生存率=完治率ではありません。

ここは勘違いしやすいポイントなので、注意しておきましょう。

トリプルネガティブの再発予防法

3年以内の再発率が高いトリプルネガティブ乳がんの再発予防方法は、現在のところ抗がん剤治療しかありません。

抗がん剤治療にはつらい副作用がつきものなので、理想は転移する方とそうでない方をはっきりと分けることです。

しかし、現代の技術でそれは不可能なので、再発・転移の可能性ある患者には抗がん剤治療が勧められます。

また、せっかく受けた抗がん剤治療も効果を示さないという可能性があります。

技術が発展しているとはいえ、がん治療には限界があります。

抗がん剤治療を受けるかどうかは、あなた次第です。

担当医と話し合うことが大切ですが、再発予防の意味を込めて抗がん剤治療が勧められたら受けるといいかもしれません。

再発の可能性と比較すると、副作用や治療の効果がないというリスクは大きくないでしょう。

まとめ

女性特有のがんである乳がんにも、いくつか種類がありました。

その中でも、3年以内の再発率が高くて、治療の選択肢も外科手術と抗がん剤治療しかないのがトリプルネガティブ乳がんです。

一見すると、マイナスのイメージが強いですが、抗がん剤医療に高い有効性を示す、3年後の再発率は他の乳がんよりも低いというポジティブな面もありました。

再発の可能性があれば抗がん剤治療が勧められるので、担当医とよく相談するようにしましょう。




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